トランプ政権、連邦保健ITおよびAI指導体制を再編
2026年3月31日 (火)
- •トランプ政権は保健IT部門の名称を「保健医療IT国家調整官室(ONC)」に戻し、外部との調整機能に注力する方針を固めた。
- •最高AI責任者および最高データ責任者のポストを、ONCから最高情報責任者(CIO)の下へと移管した。
- •今回の政策転換は、患者のデータアクセス向上とシステム間での健康記録共有の効率化を最優先事項としている。
トランプ政権はアメリカ保健福祉省(HHS)における大規模な組織再編を発表し、バイデン政権下で進められた保健テクノロジー指導部の構造改革を事実上撤回した。これまで「テクノロジー政策担当次官補(ASTP)」の名称で運営されていた部署は、本来の名称である「保健医療IT国家調整官室(ONC)」へと戻される。これは単なる名称の変更にとどまらず、同機関の役割をより専門的かつ限定的な範囲に絞り込むという明確なシグナルである。
前政権下では同部署の権限が拡大され、最高テクノロジー責任者、最高データ責任者、そして最高AI責任者といった内部テクノロジーの監視を担う主要な役職が集約されていた。しかし、今回の新たな指令により、これらの重要なリーダーシップ職といくつかのサイバーセキュリティ機能は、最高情報責任者(CIO)の直下へと再び移管されることになった。これにより、内部インフラ管理の一元化を図る一方で、ONCが外部向けの政策立案や相互運用性の向上にリソースを集中できる体制を構築した。
再編されたONCの最大の目的は、保健情報の交換における摩擦を軽減することにある。患者自身のデータアクセス権の確保と、電子カルテのシームレスな共有に焦点を当てることで、医療提供者と個人の間でのデータフローを劇的に改善することを目指す。この動きは、急速に進化する医療情報学と人工知能の領域において、規制の効率化と外部との戦略的な連携を重視する姿勢を浮き彫りにしている。