AI請求ツールが医療費を押し上げ、BCBSが報告
2026年3月9日 (月)
- •BCBSの報告書によると、AI主導のメディカルコーディングが6億6,300万ドルの過剰な病院支出を招いている。
- •調査期間中、産後出血の診断コードが急増した一方で、実際の治療率は横ばいのままだった。
- •保険会社は、病院のAIシステムによる自動化されたアップコーディングに対抗するため、支払い削減プログラムを導入している。
医療提供者と保険会社の間の緊張が、新たな局面を迎えている。ブルー・クロス・ブルー・シールド協会(Blue Cross Blue Shield Association)が、人工知能(AI)が医療費を不当に吊り上げているとするデータを発表したからだ。保険会社は以前から、病院側がAIソフトウェアを導入し、実際の診療内容を反映していない可能性のあるあらゆる診断名を特定することで、請求額を高く設定する「アップコーディング」を行っているのではないかと疑念を抱いてきた。本報告書は、保険会社がその影響を初めて公に数値化したものであり、AI主導のコーディングによる不要な支出は6億6,300万ドルに上ると推定している。
具体的に調査されたのは産後出血の事例だ。この合併症の診断コードは急増している一方で、治療率は停滞したままである。この乖離は、AIツールが患者の記録からわずかな兆候を探り出し、保険会社からの償還額が高くなるランクに該当させようとしていることを示唆している。病院側は、これらのツールが複雑な症例における請求の正確性を確保するものだと主張するが、保険会社側は、治療成果を改善することなく収益を増やすための戦略であると見なしている。
これに対抗するため、多くの保険会社は独自の自動監査プログラムを導入し、いわば「目には目を、歯には歯を」の構えを見せている。これらのシステムは不審な請求パターンを検知し、臨床的に正当性が証明されない場合には支払額を削減する仕組みだ。このようなアルゴリズムによる「軍拡競争」は、AIが事務効率化の標準ツールとなる一方で、コストの透明性や医療費全体の持続可能性に新たなリスクをもたらしている実態を浮き彫りにしている。